今年も、もう十月。
徐々に聴こえてくる冬の足音、匂い。 寄り添う恋人たちの季節がやってくる。 冬は嫌いです。 寒さに徹底的に弱いんですね。 冬も冬、二月生まれなのに寒さに弱い。 厚着が嫌いで、出来る限り薄着でいるのも原因かもしれませんが。 長い長い、春への片思いがそろそろ始まりそうです。 それでは本日の一冊は推薦をいただきました一冊。
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貫井徳郎の『慟哭』です。
推薦してくださった、羊メリーさん、ありがとうございます。 現代的なテーマを扱った、デビュー作です。 最近本当に増えた、幼女殺人。 数ある犯罪の中でも、飲酒運転の轢き逃げと並んで卑劣な罪だと思います。 (あくまで個人的な視点であって、罪の重さに大小をつけることが趣旨ではない) また、多くの問題を孕むこともある新興宗教。 これら二つを題材として、物語は展開します。 物語の構成は二つの視点を交互に描いていく手法です。 一つは連続して起こる幼女殺害事件を追う警察サイド。 そしてもう一つは、心に傷を負った、新興宗教にハマる男の視点。 これらが次第に近づいていく様子を描きます。 警察の視点は、エリート街道を邁進する捜査一課長の佐伯を通して話を展開。 複雑な家庭環境に育った佐伯はエリートを笠に着せるタイプではなく、 かといって、「踊る~」の室井さんのような現場に理解のあるタイプでもなく、 人に厳しく、自分にも厳しい、という仕事において、非常に強い人間です。 新興宗教にハマる男は心に傷を負い、無為に過ごす日々を送っている。 そんな生活のあるとき、街で新興宗教に出会う。 胡散臭いと思いつつも、一心に幸せを求める人達に興味を持ち、 数々の新興宗教を経て、やがてある宗教にたどり着く。 特徴のある構成が、一章あたりの文章量を少なく抑えて、 細切れな時間でも読めるようになっています。 また、物語の加速度は後半に行くにつれて徐々に増し、 ページを繰る手がなかなか止まらなくなります。 後記が付されていますが、あくまでフィクションだということと、謝辞のみ。 物語中の、大筋とは関係ない、S学会という部分に反応した心ない読者がいたのでしょう。 この手のテーマを扱う上で避けられない問題ですが、 反応することが却って貶めていることに気がつかないのでしょうか。 デリケートな部分なので、これ以上の言及は避けます。 読後感は正直良いとは言えませんので、重視する方は気をつけてください。 ただ、内容からして、これで良いのだと思います。 負の感覚も生きる上で忘れてはいけないものなはずです。 サスペンスものが好きな方は向いているかもしれません。 現代的なテーマを扱う、メビウスの環のような物語、いかがですか? ランキング参加中☆ 読んでみたくなったらクリック♪ ![]() ![]() まだまだ、オススメ作品を聞きたいです。 作者、作品を問わず是非コメント残してください♪ スポンサーサイト
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私もこの本読んでます。面白かったし、力作でした。
ただ、全体的評価は微妙で、貫井さんの他作を読みたくはなりませんでした。 >じっちゃんさん
じっちゃんさんはかなり辛口の書評家なのでしょうかw 自分は一読書家、読書は趣味で完全な娯楽だと思っています。 一作品で作家を判断できるほど優れた読み手でもないので、 じっちゃんさんのように作家をすぐに断じることの出来る人は尊敬します。 記事にも書いてありますが、 たくさんの作品を読みたくなる作家をぜひ教えていただけるとありがたいのですが。 辛口か?
>じっちゃんさんはかなり辛口の書評家なのでしょうかw
そ~言われるとつらいですね。 いいものはいい、だめなものはだめと言うだけってとこでしょうか。 >自分は一読書家、読書は趣味で完全な娯楽だと思っています。 それは私も同じです。 >一作品で作家を判断できるほど優れた読み手でもないので、 私は結構第一印象で判断するたちなので。 だから、読み間違いもあるかも知れません。 >たくさんの作品を読みたくなる作家をぜひ教えていただけると >ありがたいのですが。 私のブログでも紹介してますが、例えば以下。 京極夏彦。道尾秀介。東野圭吾。辻村深月。倉知淳。有栖川有栖。島田荘司。横溝正史。広瀬正。藤沢周平。 フレドリック・ブラウン。サイモン・シン。谷口ジロー。 けらえいこ。松本清張。 他にも。 江戸川乱歩。司馬遼太郎。E・S・ガードナー。綾辻行人。 山田風太郎。吉川英治。ピーター・ラヴゼイ。 貫井さんの紹介文には必ずといって良いほど「あの『慟哭』の作者が贈る~」といった文言が入っているのが気になります。確かに『慟哭』は良かったですが…私は最後までひっかかっていた口ですね。でも、ミステリ部分よりも、もっと深いところを読ませたい作品だと思ってます。
貫井さんの『悪党たちは千里を走る』は本当に『慟哭』の作者か?というような新境地の作品ですので、是非お手にとってみてください☆ あっ、秋バージョンのテンプレート素敵ですね! >じっちゃんさん
上のコメント、なんだか感じ悪いように受け取ってしまっていたらすいません。 友人との約束があって急ぎで書き上げてしまったものですのでご容赦ください。 若者にありがちな、あれもダメ、これもダメ、とは言いたくないもので、 (ダメと言って得るものも無いですし) 早い話が、 >面白かったし、力作だが、ただ全体的評価は微妙 という部分の具体性が解からなかったので、 ついトゲのある言い方になっていたかもしれません。 個人的に褒める力を伸ばそうという目標も持っているブログなので、 どこに琴線を持った人なのか気になった故の質問、どうかご容赦を。 たくさんのオススメ、ありがとうございます。 読んだことのない人も多くいますが、大体はいわゆる本格と呼ばれる方々でしょうか。 ちょこちょこ読んでいきたいと思います。 京極夏彦なんかは読んではいますが、 納得のいく記事が書ける自信がまだないので、保留中です。 >まじょ。さん
そういう煽りは確かに気持ちよいものではないですよね。 頑張って気の利いた一言をひねり出してもらいたいものですww ミステリ部分よりも読ませたいところがあるというのは大賛成ですね。 改めて記事を読み返してみると、結論がズレ気味ですね; 推薦、ありがとうございます★ >上のコメント、なんだか感じ悪いように受け取ってしまっていたらすいません。
正直に言ってしまいますが、確かにちょっぴりカチンときました。 でも、あさりさんのコメントに対する私のコメントも今読むとトガってますね。 そうならないように気をつけたつもりですが。 まだ未熟者です。 >早い話が、 >>面白かったし、力作だが、ただ全体的評価は微妙 という部分の具体性が解からなかったので、 >ついトゲのある言い方になっていたかもしれません。 すんません、読んだのが随分前なので、細かいこと覚えてなくて、 具体的に書こうにも書けなかったのです(;^_^A >大体はいわゆる本格と呼ばれる方々でしょうか。 確かにちょっと偏ってますね(;^_^A おぉ!!早速読んでくださっている!!
嬉しいです。別に私が書いた訳でもないのに(^_^;) 私はこの作品、純粋にビックリした人間の1人です。 あさりさんのおっしゃる通り、読後感は悪いですね。 ちなみに貫井徳郎は読後感の悪い作品が多いです。 読書で心が癒されたいっていう人にはあんまり向かないですね。(←って、今さら言うなよ!) あと、いつもあさりさんのブログ読んでて思うんですが、文章がうまいなぁ~と。 私はアホみたいな感想しか思いつかないんで、いつも感心しながら拝見しております。 これからも頑張って下さいね。楽しみにしてます☆ >羊メリーさん
癒しというのは確かにありませんが、 物語中の喪失から、読者が得られるものはあるので、 いい作品だと思います★ お褒めいただいて嬉しいです☆ 学校では、よって、だとか、すなわち、だとかつまらない言葉しか使えないので、 語彙が減らないように気を遣ってはいますww 頑張りますので、これからもよろしくお願いします♪ |
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